猫の子のただ居て人を溶かす術 照屋眞理子
とても小さな仔猫です。その命はとても弱く、そして計り知れないほど素直で粘り強く、神秘的と思えるほどの生きる術を身につけています。
散歩に出ていた黒猫のクーちゃんの後を追って来て我家の庭へたどり着いた仔猫は、(獣医さん曰く)何日も食べ物を摂っていないため、腸の中が空っぽでした。なので、食べながら「ウーヤムヤム、ウーウーヤムヤム」とグレムリンのような声を出し、上手に食べることが出来ずにとても時間をかけて食事をしていました。二日目の夜頃から、少しスムーズに食べらるようになって、食事をしながら唸ることをしなくなり食べている時だけは、静かになりました。新入りの仔猫は水をとてもよく飲みます。(水を飲む猫は長生きするとか)トイレは必ず専用の猫トイレを使い、用を足すと「掃除して!」と呼びに来ます(^^;)。みみ助もそうでしたが猫たちは、とてもきれい好きです。
仔猫は我家の先輩猫(クーとみみ助)たちから、最初は相手にされていませんでした。3日目あたりから、みみ助には遊んでもらえるようになりました。黒猫のクーちゃんは噎せるほど、仔猫を嫌がっています。「なんだお前はぁ!!」と言わんばかりに低い唸り声を出そうとして、げほげほとむせています…(--;)。
一方、茶虎猫のミミ助はとても良いお兄ちゃんで、変なところへ入り込もうとする仔猫を止めたり、外へ出ようとするのを阻止したり、トイレの場所を教えたり、羊の世話をする番犬のような振る舞いをみせています。
仔猫は、最初、唸ることしかできなかったのですが、二日目の夕方から可愛い猫の鳴き声に変わり、今ではほぼ一日中鳴いています。食べている時と寝ている時と遊んでいる時以外はずーっと鳴いているので、我家の猫たちも人も、仔猫の声に少し疲れてきました。
まだ、仔猫なので、誰かが傍にいないと不安になる様子です。
甘えることを覚え、膝の上や傍らから片時も離れようとしません。
薄汚れていた毛が真っ白くなって見た目も、とても可愛くなってきました。
名前を考えている時、とてもよくなくので、「鳴き助」「ナッキー」「ピーピー助」などの名前になりそうだったですが、黄金に光るみみ助の弟ということで、「銀之助」という名前になりました。
「銀之助」は桜吹雪と一緒に現れ「遠山の金さん」のようでした。なので「金さん!」かなとも思いましたが、銀くんの方が似合うということで「銀之助」と命名しました。
ご近所の人たちに、「猫を飼いませんか?」と聞いたのですが、すでに犬がいるとか猫がいるとか言われ、「お宅は猫かってるでしょ?2匹も3匹も変わらないわよ!良かったわねぇ~」(何が?)と言われ、そうなるとは思っていましたが、やはり家族が増えることになりました。
猫たち曰く、銀之助はみみ助よりもやんちゃで手がかかるらしいです。ですが、みみ助くんが使っていた手作りゲージやおもちゃをそのまま使えるので、年子の弟のようにわりとすんなり日常生活に溶け込んでいます。
この先、何があるのか定かではありませんが、またしばらくは、親バカの猫ブログが続きそうですので、写真だけも見てみてくださいネ。
仔猫鳴く顔より広く口開けて みみ助
口あけて一声づつの仔猫泣く 中村汀女
ソメヨシノが葉桜になって、桃色の八重桜が咲いています。
昼間はすっかり暖かくなりましたね。朝晩との気温差が激しくて、温水プールでコーチの仕事をしていると室内プールなのに急に寒さを感じる時があります。
スイミングスクールに泳ぎに来るチビッ子達も寒そうな時があり、気が気ではありません。急な気温の変化に大きなプールの暖房が効かない時もあるんです。
さて、我家の猫事情に少し変化がありました。
昨晩、我家の黒猫のクーちゃんが夜のお散歩にでかけ、小さな三毛猫を連れて帰宅。
その小さな三毛猫は軒下でうずくまったまま、身動きせず声も出せない様子で窓の外から家の中を覗いていたので、不憫に思い猫のごはんを少しわけてあげました。仔猫は逃げもせず、頭をなでても嫌がりもせず、食後も軒下で暖をとっている様子でした。
一晩、うちの庭に泊まってから自分の縄張りへ帰るだろうと思いながら、病気ではなさそうだけれど心配だなと、あれこれ思いあぐねつつ就寝。夜が明け、朝起きて、昨晩のチビ三毛猫が自分の縄張りへ帰ってくれていることを願い、半信では、まだ軒下でうずくまっていることを期待して窓の外を見ると、仔猫はこちらを見上げながらうずくまっていました。
朝ごはんをあげて、様子を見ましたがそこから動く気配はなく、我家の猫たちが外に出ても軒下から動こうとしないので、仕方なく抱き上げるとおとなしく、ガリガリに痩せていました。獣医へ連れて行き、ノミダニ駆除と健康診断をしてもらって、病気がないと診断されました。
頭のいい仔で、トイレを置くとすぐそこで用を足し、籠をおくと中にぴょんと入って眠りました。最初はうなるだけで、うーうーと怖そうな声をだしていましたが、夕方には、猫らしく鳴くようになり、傍に人気がないと声をだして呼びます。
我家にはすでに二匹の猫がいるので、もうこれ以上は無理…かも。里親探しをしようかとも思っています。仔猫は生後4カ月の雄猫。
茶虎猫のみみ助くんや、黒猫のクーちゃんは半ば呆れた様子で、仕方なさそうにしています。
なんで、こうあれこれ、なんやかやと特別な事情がもちあがってくるんでしょうね。やっと、みみ助が大きくなって、母のデイサービスも親切なところが見つかって、ほんの少し自分のことや、仕事の向上が出来るかもと思っていたら…。
新しい家族がまた増えるのかしら。。。。。。。。。
今夜は雨。春の冷たい雨の夜に仔猫を外へなど出せません。おろおろとする新緑の季節。中村汀女さんの言葉をお借りすれば「また心づかひ多くなりぬ」です。